看護師の「9K」の中に「薬に頼って生きている」というのがあるそうです。「危険」「汚い」「きつい」…等の8つまではなんとなく理解できたのですが、この「薬に頼る」という意味が、いまいちピンときませんでした。
「医者の不養生」と同じようなことでしょうか。看護師なのに自分の健康には配慮が足りなくて、常に何か薬を飲んでいないと働いていられない、とか…。
看護師が自分の健康に配慮が足りないといっても、それは、過酷な労働環境のせいでしょう。
そのせいで転職を考える看護師もいるようですし・・・。
自分で工夫するにもきっと限界があるだろうと思います。不規則勤務ならなおさらです。健康の基本は規則正しい生活ですが、そもそもそれができないわけですし。きっと、いろんな工夫をして頑張っておられるんだろうと思います。
人手不足の中で簡単に休むことができないでしょうから、ちょっとの体調不良なら薬でなんとか押さえ込んでいるのでしょうね。
私は頭痛持ちなので頭痛薬が手放せません。ときには、立っていられないほどの頭痛に襲われるときもあります。そんなときはもちろん薬を飲みますが、人目をさけて、ちょっとだけ車の中で休むとか(医務室のない職場でしたので)、なんとか対処することはできました。
でも、看護師さんはそういうわけにはいきませんよね。一瞬でも姿がみえなくなったら一大事につながるかもしれません。だから、薬に頼るしかないのでしょうね。
よく効く薬が手に入りやすい環境だと思うので、仕事に支障をきたすような体調不良を感じた時にはすぐに手が伸びてしまう、というのは仕方のないことだと思います。
私はうつ病を経験しているので、薬の大切さはよくわかります。できることなら、薬に頼らずに生きて行きたかったですが、薬を処方してもらうことで、ずいぶんと嫌な症状は緩和されました。不眠もなんとか克服しました。自分に合う薬やその組み合わせに出会うまでに結構な時間はかかってしまいましたが、薬ってやっぱり頼りになるものだと思いました。一生懸命に処方してくださった医師や看護師、薬剤師さんたちのおかげです。今の日本の病院は薬に頼りすぎると聞いたこともありますが、いちがいにそれが悪いことだとは思わなくなりました。でも薬にたよらずに、特にうつ病なんかは、克服できる環境が整えば、それは最高にいいことだと思います。
それにしても、人を健康にするための職場で、薬に頼って仕事をするしかないというのはなんとも皮肉な不健康な職場ですね。だから「9K」にランクインされてしまったのでしょうね。